水彩「ガーナ＋スターバックス」＋生徒さん作品例

題：「ガーナ＋スターバックス」
作者：岩崎ナギ
技法：３原色水彩
大きさ：４１×３１．８センチ（葉書サイズ）

Title: Ghana + Starbucks
Artist: IWASAKI, Nagi
Technique: 3 Primary colors watercolor
Size: 41 x 31.8cm (17" x 13" inches)

〇おはようございます！
岩崎ナギです。

神戸市・西区民センターの、
「デッサン講座、色鉛筆講座、水彩講座」用に、
水彩「ガーナ＋スターバックス」を描きました。

１・立方体の陰影の付き方と透視図法的な理解
２・回転体の描き方と陰影
３・ロゴの描き方

・・・の３点が主な注意点です。

岩崎ナギ的には、
専門の図像学に基づいた絵を描くより、
幾何形体や透視図法的な正確さを、
必要とされる工業製品や風景の方が、
ずっと難しくて、
自分の弱点を向上させてくれる課題は、
有難い事に自分自身のためにもなっています。
ありがとうございます！

あと「デッサン講座」の生徒さんの作品例を、
２作、指導案の後に掲載しました。
習作揃いですので、
ぜひご覧になってくださいね。
よろしくお願い致します。

では以下指導案です。
ご高覧よろしくお願い致します。

＋＋＋＋＋＋＋



１・タテヨコ比に注意

急な角度で長さのある題材は、
網膜上よりも長く感じがちです。

真上から見た時の印象により、
脳が認識を誤るためですが、
実は見た目のタテヨコ比では、
それ程タテは長くありません。

作例のタテの見かけ上の長さの、
約８割が見かけのヨコの長さで、
測定棒などで確認すれば描けます。

また作例の飲料のタテの長さは、
箱の見かけの６割くらいです。
各比率に留意して進めましょう。



２・ロゴは最初から

ロゴとは意匠文字の事、
つまり印刷された商品名などです。

土台となる形態が大体描けたら、
後回しせず最初から少しずつ、
何度かに分けて手を入れます。

初めはそれほど正確でなくとも、
ある部分を描き別の部分を描き、
という具合に配分して描き進め、
また最初に戻りより正確にして、
３巡目くらいで仕上げます。



３・回転体

今回もう一つの要は回転体です。
慣れない内は補助線を引いて、
左右の傾きや真円率を確かめ、
より正確な形態を目指します。

視線の高さから離れるに従い、
真円率が上がる事には、
特に注意が必要です。

具体的には容器の上の円より、
下の円の方が真円率が高く、
より丸味が強まります。

＋＋＋＋＋＋＋

では以下、
生徒さんの作品例です。
よろしくお願い致します。



デッサン講座・生徒さん作品
作者・三輪博さん
Nagi's drawing course student work
Artist: MIWA Hiroshi-san

【岩崎ナギ寸評】

「グレーを制する者は絵画を制す」
の格言通り中間調の階調が美しい作品です。
とても良いですね。

三輪さんはこの階調をお出しになるのに、
擦筆（さっぴつ）を使っておられるので、
教室で擦筆が流行したほどです。
実は岩崎ナギも１本買いました。
１００円ほどで値段も手頃です。

ところで「階調」とは、
段階的な調子を表しますが、
「諧調」とは調子が整って美しい様を表します。
その意味で本作品は、
「諧調」も兼ね備えた作品と言えます。



デッサン講座・生徒さん作品
作者・小松均さん
Nagi's drawing course student work
Artist: KOMATHU Hitoshi-san

【岩崎ナギ寸評】

構図が素晴らしいですね。
神戸ワイン城「長い手紙」の指導案で、
「対比」を中心にご解説しましたが、
小松さんの作品も・・・

迫る超近景と霞む後景、
光の当たる箇所と木陰の落ちる箇所、
進む人と退く人、

・・・などなど様々な対比が用いられ、
活き活ゝとした画面を作っておられます。
透視図法的な正確さも見逃せない要素です。

・・・以上です！
いつもありがとうございます。
今後ともよろしくお願い致します！

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コメント 2

回転体、タテヨコ比などいつも身につまされていますので、大切さだけはわかりますが、難しいですね。
生徒さんの二作品。諧調が三段階ぐらいになっていると、よくわかりますね！三輪さんの見事ですね！
by カズノコ (2018-11-28 09:11) 

カズノコさん→いつもありがとうございます。
回転体はカズノコさんでも苦心しておられますね。
毎日楕円型に線を引くだけの練習をされるのも、
効果的ですよ。
毎日の練習ですので、
嫌にならない程度に左右３本ずつ引くくらいで十分です。
岩崎ナギも２０年くらいは毎日引いています。

三輪さん、小松さんとも、
階調に注意して描いておられますね。
３講座とも皆さんの伸び方が著しくて、
岩崎ナギ自身も常に頑張らないと！
と思っています。
by 岩崎ナギ (2018-11-28 09:56)